警備業法とは?4つの警備業務・警備員の資格・認定制度をわかりやすく解説

警備員は、オフィスビルや商業施設、学校、病院、工事現場、イベント会場など、さまざまな場所で人々の安全を守っています。
こうした警備業務には、警備員が守るべきルールや警備会社が遵守すべき基準があります。その基本となる法律が警備業法です。
警備業法には、警備業を適正に運営するためのルールだけでなく、警備員の教育、警備業務の区分、警備会社の認定、契約や業務上の義務などが定められています。
では、警備業法とは具体的にどのような法律なのでしょうか。
本記事では、**「警備業法とは何か」「警備業務にはどんな種類があるのか」「警備員になるには何が必要なのか」「警備会社を開業するにはどうすればよいのか」**について、わかりやすく解説します。
警備業法とは?
警備業法とは、警備業務の適正な運営を確保し、公共の安全と秩序の維持に寄与することを目的とした法律です。
正式には「警備業法」といい、警備会社や警備員が業務を行う際の基本的なルールが定められています。
警備員の仕事は、人や施設、現金などを守る重要な業務です。そのため、誰でも自由に警備業を営んだり、十分な教育を受けていない状態で警備業務に従事したりできるわけではありません。
警備業法では、警備業を営むための認定制度や警備員に対する教育制度などが定められています。
つまり、警備業法は、警備業界の信頼性を確保し、安全で適正な警備業務を行うための基本的な法律といえます。
警備業法はなぜ必要?
警備員は、施設や人の安全を守る仕事です。
もし警備会社が適切な管理を行わず、警備員が十分な教育を受けないまま業務を行えば、事故やトラブルにつながる可能性があります。
そこで警備業法によって一定のルールを設け、警備業者と警備員の双方が適切に業務を行える環境を整えています。
警備業法があることで、次のような点を適切に管理できます。
● 警備業を営む事業者の適正な運営
● 警備員の教育・指導
● 警備業務の適正な実施
● 警備員の資格・検定制度
● 警備業務に関する契約や義務
● 警備業者に対する行政上の監督
警備業法は、警備会社だけのための法律ではありません。
警備サービスを利用する企業や施設、そして警備業務を受ける人々にとっても、安心して警備サービスを利用するための重要な法律です。
警備業務にはどんな種類がある?
警備業法では、警備業務を大きく4つの区分に分けています。
それぞれ仕事内容や警備を行う対象が異なるため、警備員として働く場合は、どの業務に従事するのかを理解しておくことが大切です。
1号警備業務とは?|施設警備
1号警備業務は、施設やその敷地内などにおいて、盗難や事故などの発生を警戒・防止する業務です。
代表的な現場には、次のような場所があります。
● オフィスビル
● 商業施設
● 学校
● 病院
● ホテル
● 工場
● 駐車場
具体的な仕事内容としては、施設内の巡回、出入管理、防犯カメラの監視、受付、鍵の管理などがあります。
施設警備では、異常を早期に発見し、事故や犯罪を未然に防ぐことが重要です。
2号警備業務とは?|交通誘導・雑踏警備
2号警備業務は、人や車両が集中する場所で事故や混乱が発生しないよう、誘導や整理を行う業務です。
代表的なのが交通誘導警備と雑踏警備です。
交通誘導警備では、工事現場や道路などで車両や歩行者を誘導します。
一方、雑踏警備では、イベント会場や祭り、コンサートなど、多くの人が集まる場所で人の流れを整理します。
安全な通行を確保するだけでなく、事故や混雑を防止するための判断力やコミュニケーション能力も求められます。
3号警備業務とは?|輸送警備
3号警備業務は、現金や貴重品などの運搬に伴う盗難などの事故を警戒・防止する業務です。
例えば、現金や貴重品などを輸送する際に、対象物を安全に運ぶための警備を行います。
輸送警備では、警備員の安全だけでなく、警備対象となる現金や貴重品などを守ることも重要です。
そのため、専門的な知識や適切な警備体制が必要になります。
4号警備業務とは?|身辺警備
4号警備業務は、人の身体に対する危害の発生を、その身辺で警戒・防止する業務です。
一般的には「身辺警備」や「ボディガード」と呼ばれることがあります。
警備対象者の周囲に危険がないかを確認し、必要に応じて安全を確保します。
高い観察力や判断力、危険を予測する能力などが求められる専門性の高い警備業務です。
警備業を始めるには何が必要?
警備会社を設立して警備業を営む場合、一般的な会社設立だけで自由に営業できるわけではありません。
警備業法に基づき、公安委員会による認定を受ける必要があります。
警備業を始める際には、欠格事由に該当しないことなど、法律で定められた要件を満たす必要があります。
また、営業所ごとに必要な体制を整え、警備業務を適正に実施できる環境を準備することが重要です。
警備業の認定申請はどこに行う?
警備業の認定に関する手続きは、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に対して行います。
実際の申請窓口や必要書類、手数料などについては都道府県によって案内が異なる場合があるため、開業する地域を管轄する警察署などで最新の情報を確認することが重要です。
警備員指導教育責任者とは?
警備会社では、警備員に対する教育や指導を適切に行うため、警備員指導教育責任者を選任する必要があります。
警備員指導教育責任者は、警備員への教育計画を作成したり、教育を実施したりするなど、警備員の教育に関わる重要な役割を担います。
警備業を適正に運営するためには、現場だけでなく、教育・管理体制を整えることも重要です。
警備員になるには資格が必要?
「警備員になるには資格が必要なの?」と疑問に感じる人もいるでしょう。
警備員として働き始める際、すべての警備業務で国家資格などの検定資格が必須というわけではありません。
ただし、警備員として業務に従事するためには、警備業法に基づく教育を受ける必要があります。
また、業務の種類や配置によっては、一定の資格・検定を取得した警備員の配置が求められる場合があります。
そのため、警備員として働きたい場合は、希望する警備業務にどのような資格が関係するのかを確認しておくとよいでしょう。
警備員にはどんな教育が必要?
警備員には、警備業務を適正に行うための教育が必要です。
代表的なのが、警備業務に初めて従事する際に受ける新任教育と、継続して警備業務に従事する警備員が受ける現任教育です。
教育では、警備業法などの関係法令だけでなく、警備業務に必要な基本的な知識や対応方法について学びます。
例えば、
● 警備員としての基本的な心構え
● 関係法令に関する知識
● 事故・トラブル発生時の対応
● 不審者や異常の発見
● 施設警備の基本
● 交通誘導の基本
● 雑踏警備に関する知識
など、実際の現場で必要となる内容を身につけます。
警備員教育は、警備員一人ひとりの知識や対応力を高め、質の高い警備サービスを提供するために重要です。
警備員に資格や検定は必要?
警備員には、業務内容に応じたさまざまな資格・検定制度があります。
代表的なものが警備員検定です。
警備員検定には、次のような区分があります。
● 施設警備業務
● 交通誘導警備業務
● 雑踏警備業務
● 貴重品運搬警備業務
● 空港保安警備業務
● 核燃料物質等危険物運搬警備業務
資格を取得することで、担当できる業務の幅を広げたり、専門性を高めたりすることにつながります。
警備員として長く働きたい人や、キャリアアップを目指す人にとって、資格取得は有効な選択肢の一つです。
警備業法に違反するとどうなる?
警備業法では、警備業者や警備員が守るべきさまざまなルールが定められています。
法律に違反した場合、内容に応じて行政処分や罰則の対象となる可能性があります。
例えば、警備業法上の義務に違反した場合には、指示や営業停止、認定の取消しなどの行政処分が行われる場合があります。
重大な違反については、刑事罰の対象となることもあります。
そのため、警備会社は単に警備員を配置するだけではなく、法令に沿った教育や業務管理を行うことが重要です。
警備会社が特に注意したいポイント
警備会社では、次のような項目を継続的に確認することが大切です。
● 警備業法などの関係法令を遵守する
● 必要な認定・届出を適切に行う
● 警備員への教育を適切に実施する
● 必要な資格者を適切に配置する
● 契約内容に沿って警備業務を実施する
● 警備員の勤務状況を適切に管理する
● 業務上必要な記録を適切に管理する
特に警備業では、多くの警備員が複数の現場で勤務することがあります。
そのため、教育・資格・勤務実績・配置などを適切に管理できる体制を整えることが重要です。
警備業法を守るために警備会社ができることは?
警備業法を遵守するためには、法律の内容を理解するだけでなく、日々の業務に落とし込むことが重要です。
警備員教育を適切に管理する
警備員ごとに必要な教育を確認し、受講状況を管理します。
教育履歴を適切に記録しておけば、誰がどの教育を受けたのかを確認しやすくなります。
資格・検定情報を管理する
警備員が取得している資格や検定を把握しておくことも重要です。
現場によって必要となる資格が異なる場合があるため、資格情報を一元管理することで、人員配置を検討しやすくなります。
警備員の配置を適切に行う
警備現場ごとに必要な人数や資格などを確認し、適切な警備員を配置する必要があります。
特に複数の現場を抱える警備会社では、配置管理を効率化する仕組みが重要です。
最新の法令・制度を確認する
警備業法や関連する制度は改正されることがあります。
古い情報だけを参考にせず、警察庁や都道府県警察などの公的な情報を確認し、必要に応じて社内の運用ルールを見直しましょう。
警備会社の業務管理を効率化するには?
警備会社では、警備員の勤務管理だけでなく、現場情報、資格、教育、シフト、配置など、多くの情報を管理する必要があります。
これらを紙やExcelだけで管理すると、情報の更新や確認に時間がかかる場合があります。
そこで、警備業務に対応した警備会社向け管理システムを活用する方法があります。
例えば、警備Proのような業務管理システムを活用することで、警備員に関する情報や現場の管理業務を効率化できます。
警備会社では、
● 警備員情報
● 資格・検定情報
● 教育履歴
● 勤怠情報
● シフト
● 現場情報
● 配置情報
● 勤務実績
など、さまざまな情報を扱います。
これらを一元管理できる環境を整えることで、管理者の確認・入力作業を減らし、業務効率化につなげることができます。
警備業法についてよくある質問
警備業法とは簡単にいうと何?
警備業法とは、警備業務を適正に行い、公共の安全と秩序の維持に寄与するための法律です。
警備会社の認定制度や警備員教育、警備業務に関するルールなどが定められています。
警備業務は何種類ある?
警備業法上、警備業務は大きく4つに分類されます。
1号警備は施設警備、2号警備は交通誘導・雑踏警備、3号警備は輸送警備、4号警備は身辺警備です。
警備員になるには資格が必要?
すべての警備業務で検定資格が必須というわけではありません。
ただし、警備員として働くには警備業法に基づく教育を受ける必要があり、業務や配置によっては資格者の配置が必要になる場合があります。
警備会社を開業するには?
警備業を営む場合、警備業法に基づく公安委員会の認定を受ける必要があります。
また、必要な人的・組織的な体制を整え、関係法令に沿って業務を行うことが求められます。
警備業法に違反するとどうなる?
違反内容によって、行政処分や罰則の対象になる可能性があります。
そのため、警備会社は警備業法だけでなく、関連する法令や制度についても継続的に確認することが重要です。
まとめ|警備業法を理解して適正な警備業務を行おう
警備業法は、警備業務を適正に行い、社会の安全と安心を支えるために重要な法律です。
警備業法では、警備会社の認定制度や警備員教育、警備業務の区分など、警備業を運営するうえで重要なルールが定められています。
警備業務は、大きく次の4種類に分けられます。
● 1号警備:施設警備
● 2号警備:交通誘導・雑踏警備
● 3号警備:輸送警備
● 4号警備:身辺警備
警備員として働く場合も、警備業務に必要な教育を受け、担当する業務に応じた知識やスキルを身につけることが重要です。
また、資格や検定を取得することで、専門性を高め、キャリアアップにつなげることもできます。
警備会社にとっては、警備員の教育・資格・配置・勤務状況などを適切に管理することが、法令遵守だけでなく、警備サービスの品質向上にもつながります。
警備業法を正しく理解し、日々の業務管理に反映させることで、警備員が安心して働ける環境を整え、顧客や施設利用者から信頼される警備会社を目指しましょう。