警備員の24時間勤務とは? 長時間勤務の実態と対策を解説!

警備員の仕事には、さまざまな勤務形態がありますが、その中でも特に特徴的なのが「24時間勤務」です。この勤務形態では、長時間にわたって警備業務を行うことになるため、体力的な負担が大きいと感じる人も少なくありません。しかし、その一方で、責任感を持って働くことでやりがいを感じたり、効率的な勤務スケジュールを活かしてプライベートの時間を確保しやすくなったりするというメリットもあります。
また、日勤や夜勤の違いを理解し、1日単位での勤務形態を検討することも重要です。例えば、16時間勤務などのシフトもあり、実際の業務内容によっては24時間勤務以外の選択肢も考えられます。求人情報を確認し、転職時には希望する勤務形態をエージェントに相談することもおすすめです。
なぜ警備員には24時間勤務が必要なのか?
備の仕事は、人々の安全や財産を守るために不可欠な役割を担っています。特に、オフィスビルや商業施設、工場、病院、マンションなどの施設では、昼夜を問わずさまざまなリスクが存在します。日勤では多くの人が出入りし、事件や事故の発生を未然に防ぐために警備員が巡回や監視を行いますが、夜間になると建物内の人の数が減り、犯罪やトラブルのリスクが高まるため、より一層の警備体制が求められます。
こうした施設では、夜間に警備員が不在になると、不審者の侵入や盗難、設備の異常などに気づくことができず、重大な事故や被害につながる可能性があります。そのため、夜間の無人時間帯を作らず、常に警備員が配置されている状態を維持するために、24時間体制の警備が必要とされているのです。
この24時間体制を実現する方法として、多くの警備会社では「シフト制」を導入しています。シフトを分けることで、実労時間の超過を防ぎつつ、固定の勤務体系の運用が可能になります。しかし、施設によっては1回の勤務が16時間以上になる場合もあり、労働基準法に基づいて運用されているかを確認することが重要です。特に、違法な長時間残業が発生していないか、求人の利用規約をチェックすることも大切です。
24時間勤務のタイムスケジュールについて
<24時間勤務の一般的なスケジュール>
- 9:00|勤務開始(引き継ぎ・巡回業務)
まずは、前の勤務担当者から業務の引き継ぎを受けます。施設内で特に注意すべき点や、設備の異常報告、発生したトラブルの有無などを確認し、スムーズに警備業務を開始できるよう準備を整えます。その後、施設内外の巡回を行い、不審者や異常がないかをチェックします。 - 12:00|休憩(食事・待機)
午前中の業務を終えた後、昼食を取るための休憩時間となります。食事の時間は施設によって異なりますが、多くの場合、1時間ほど確保されており、この間に軽い休憩を取ることも可能です。食事後は、次の業務に向けて待機時間となることが多く、モニター監視などの業務を並行して行う場合もあります。 - 13:00|巡回・モニター監視
昼休憩を終えると、再び施設内の巡回や防犯カメラの映像チェックなどを行います。特に、日中は来訪者や従業員の出入りが多いため、不審者が紛れ込んでいないか、施設内の安全が確保されているかを重点的に確認します。また、施設によっては受付業務を兼任することもあり、来客の対応や施設利用者のサポートを行う場合もあります。 - 18:00|休憩(仮眠前の準備)
夕方になると、一旦業務の合間に休憩を取る時間が設けられます。ここで軽食をとったり、次の業務に備えてリラックスしたりすることで、深夜の勤務に向けた準備を整えます。 - 19:00|仮眠(3~5時間)
夜間勤務に備えて、仮眠時間が設定されます。多くの施設では、3~5時間程度の仮眠時間を設けており、この間にしっかりと休息をとることが推奨されています。ただし、完全に熟睡できるわけではなく、緊急時にはすぐに対応できるよう待機している必要があります。そのため、熟睡するというよりは、短時間でも質の良い睡眠を取ることが大切になります。 - 24:00|深夜巡回・警備業務
仮眠を終えた後は、夜間の巡回業務を行います。深夜帯は人の出入りが少なくなるため、不審者の侵入や施設内の異常を発見しやすくなります。特に、施錠の確認や警報装置の作動状況のチェックなど、細かい点までしっかりと確認することが求められます。また、施設によってはモニター監視や夜間受付業務を担当することもあります。 - 6:00|明け方の巡回・清掃・引き継ぎ準備
明け方になると、再び施設内を巡回し、異常がないか最終確認を行います。夜間に発生した出来事を記録し、次の勤務者に引き継ぐ準備を進めます。また、施設内の簡単な清掃や整理整頓を行うこともあります。 - 9:00|業務終了・引き継ぎ
24時間勤務の最後に、次の担当者への引き継ぎを行います。夜間に発生した事案や、施設の設備に関する情報を共有し、スムーズに業務が引き継がれるよう報告を行います。引き継ぎが完了すると、長時間の勤務を終えて業務終了となります。ここから「明け休み」として、休息を取ることができるのが24時間勤務の特徴の一つです。
24時間勤務のメリットとデメリット
✅ 24時間勤務のメリット
- 勤務日数が少なくなる(1回の勤務で2日分働いた扱いになる)
24時間勤務は、日勤や夜勤と比較して1回の勤務時間が長いため、勤務回数自体が少なくなります。例として、8時間勤務のシフトで週5日働く場合、単純計算で1週間に5回、1か月で20回の出勤が必要になります。しかし、24時間勤務の場合は1回の勤務が実質2日分と換算されるため、平均の出勤日数は半分程度に抑えられます。
そのため、少ない出勤回数で効率よく働くことができるのが大きなメリットです。 - まとまった休みが取れる(勤務後の明け休みがある)
24時間勤務の翌日は「明け休み」として休息を取ることができるため、連続した休日を確保しやすくなります。この明け休みを活用すれば、趣味の時間を持ったり、家族との時間を大切にしたりすることが可能です。
また、シフトの組み方によっては、明け休みと通常の休日を組み合わせることで連休のように過ごすこともできるため、プライベートの充実につながります。 - 夜間手当がつく(給与面でのメリット)
24時間勤務には夜勤が含まれるため、一般的に夜間手当が支給されます。通常の日勤と比べると、夜間手当がプラスされる分、給与の面でメリットが大きくなります。特に、労働基準法では22時~5時の勤務に対して割増賃金が適用されるため、同じ労働時間でも通常の勤務より高収入を得ることができます。結果として、働いた分の対価がしっかりと得られ、安定した収入を確保しやすくなります。
❌ 24時間勤務のデメリット
- 生活リズムが乱れやすい
24時間勤務では、日勤と夜勤の両方で働くことになるため、通常の勤務と比べて生活リズムが不規則になりがちです。特に、勤務後の明け休みの過ごし方によっては、昼夜逆転の生活になりやすく、体内時計が乱れることもあります。
これを防ぐためには、明け休みの日もなるべく一定の時間に起きるようにするなど、意識的に生活リズムを整えることが重要です。 - 長時間の拘束による体力的負担
1回の勤務が24時間(16時間の実労働時間を含む)と長いため、どうしても体力的な負担が大きくなります。特に、立ち仕事や巡回業務が多い警備業種では、体への負担が蓄積しやすく、疲労を感じることが増えるかもしれません。
また、実際には休憩時間が確保されているとはいえ、長時間働き続けることによる集中力の低下にも注意が必要です。そのため、こまめな水分補給や適度なストレッチを取り入れながら、疲労を溜め込まない工夫が求められます。 - 仮眠が十分に取れないことがある
24時間勤務の中には仮眠時間が定められていますが、実際に十分な睡眠が取れるとは限りません。例として、警備業務では、緊急時にすぐ対応できるよう待機する必要があるため、熟睡できる環境が整っていない場合もあります。また、施設の状況によっては仮眠時間が短縮されたり、不規則なタイミングで業務が発生することもあるため、思うように休息が取れないケースもあります。そのため、仮眠の質を高める工夫が必要になります。例えば、短時間でも深く眠れるようにアイマスクや耳栓を利用したり、寝る前にカフェインを控えたりすることで、より良い睡眠を確保できるようになります。
24時間勤務を乗り切るための対策
警備業種における24時間勤務は長時間にわたるため、体力的・精神的な負担が大きくなりがちです。しかし、適切な対策を取ることで、負担を軽減しながら業務を続けることができます。特に、夜勤の際には、仮眠の質を向上させたり、食事や水分補給に気を配ったりすることで、集中力を維持し、疲労を最小限に抑えることが可能です。
以下に、24時間勤務を無理なく乗り切るための具体的なポイントを一覧で紹介します。
仮眠時間をしっかり確保する(短時間でも熟睡できる環境を整える)
24時間勤務では、途中で仮眠時間が確保されているものの、環境によっては十分に眠れないこともあります。しかし、短時間でも質の良い睡眠を取ることができれば、疲労回復の効果は大きく、勤務後半のパフォーマンス向上につながります。
仮眠の質を高めるためには、以下のような工夫が効果的です。
- アイマスクや耳栓を使用し、周囲の光や音を遮断する
- 仮眠前にスマホやパソコンの画面を見ないようにし、寝つきを良くする
- カフェインや刺激の強い食べ物・飲み物を避ける(特に夜勤前は注意)
- リラックスできる姿勢で仮眠をとり、できるだけ深く眠るようにする
また、仮眠時間が短い場合は、「90分サイクル」を意識すると目覚めがスッキリしやすくなります。人間の睡眠は約90分の周期で深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)を繰り返しているため、仮眠時間が中途半端にならないよう調整するのも一つの方法です。
食事に気をつける(消化の良いものを摂取し、胃腸の負担を減らす)
24時間勤務では、長時間にわたって働き続けるため、食事の内容も重要なポイントになります。特に、夜勤時の食事は消化に時間がかかるため、胃腸に負担をかけすぎないように工夫することが大切です。
おすすめの食事のポイントは以下の通りです。
- 脂っこい食べ物や刺激の強い食品を避ける(揚げ物や辛い食べ物は消化に悪影響)
- 夜間の食事は軽めにし、消化の良いもの(おにぎり、スープ、うどんなど)を選ぶ
- 血糖値の急上昇を防ぐため、バランスの取れた食事を心がける
- 夜間の業務中にエネルギー補給が必要な場合は、ナッツやバナナなどの軽食を取り入れる
また、勤務前にしっかりと食事をとり、エネルギーを蓄えておくことも重要です。空腹の状態が続くと、集中力が低下し、仕事のパフォーマンスにも影響が出るため、適切なタイミングで食事をとるようにしましょう。
水分補給をこまめに行う(集中力を維持するために重要)
24時間勤務では、長時間にわたって活動するため、脱水を防ぐためにもこまめな水分補給が必要です。特に、エアコンの効いた室内や乾燥した環境では、気づかないうちに体内の水分が失われていることがあります。
水分補給のポイントは以下の通りです。
- 一度に大量の水を飲むのではなく、こまめに少しずつ摂取する
- カフェインやアルコールは利尿作用があるため、飲みすぎに注意する
- スポーツドリンクやミネラル入りの水を取り入れ、適度な塩分・ミネラル補給を行う
- 夜間の業務中も、適度に水分補給をしながら作業を進める
脱水状態になると、疲労感や頭痛の原因にもなるため、意識的に水分補給を行い、常に体のコンディションを整えておくことが重要です。
勤務後はしっかり休息を取る(無理な予定を入れず、体調管理を優先)
24時間勤務が終わった後は、体に疲れがたまっているため、しっかりと休息を取ることが大切です。勤務終了後に無理な予定を入れると、疲労が抜けず、次の勤務に悪影響を及ぼす可能性があります。
勤務後の休息を効果的に取るためのポイントは以下の通りです。
- 帰宅後はすぐに寝るのではなく、軽いストレッチや入浴でリラックスする
- 明け休みの日は、できるだけ規則正しい生活を心がける(昼夜逆転を防ぐ)
- 適度に体を動かし、体内時計をリセットする
- 翌日の予定を詰め込みすぎず、余裕を持ったスケジュールを組む
警備業務の勤怠管理を効率化!「警備Pro」で24時間勤務をスムーズに管理
警備員の24時間勤務は、特殊な勤務形態であり、適正な勤怠管理が求められます。しかし、シフトの管理や割増賃金の計算などを手作業で行うのは大変な負担になります。そんな課題を解決するのが、警備業界に特化した業務管理ソフト「警備Pro」です。
「警備Pro」は、当務勤務(24時間勤務)にも対応した勤怠管理機能を搭載しており、有給休暇の管理や勤務スケジュールの作成もスムーズに行えます。さらに、残業代はもちろん、夜間手当や休日手当などの割増賃金を正確に計算し、適正な給与支払いを実現。警備業界特有の勤務体系を考慮したソフトのため、警備会社の業務負担を大幅に軽減します。
「勤怠管理が煩雑になっている」「適正な給与計算を行いたい」というお悩みをお持ちの方は、ぜひ「警備Pro」を活用し、警備員の働きやすい環境を整えてみてはいかがでしょうか?
まとめ
警備員の24時間勤務は、長時間にわたる業務のため、体力的・精神的な負担が大きいものの、適切な仮眠時間の確保や夜勤手当などのメリットもあります。特に、勤務日数が少なくなることで、まとまった休みを確保しやすい点は魅力的です。一方で、生活リズムの乱れや体への負担がデメリットとなるため、実際の業務での仮眠の質を高めたり、食事や水分補給に気をつけたりすることが重要です。
24時間勤務を無理なくこなすためには、勤務中の過ごし方だけでなく、勤務後の休息や体調管理も欠かせません。無理のない働き方を意識し、適切な対策を取ることで、警備員としての業務を安全かつ快適に続けることができます。